運動に対する一般的なイメージ
やわらぎ治療室で患者さんから数えきれないほど聞かされた質問があります。
それは「どんな運動をすればいいですか?」
です。
あるいは「症状を治すためにマラソンをしてるんですよ」とか
「運動すればいいんですけど、なかなかできなくてねぇ」などの話もたくさんお聞きしました。
共通しているのは、運動が身体を健康にしてくれるということです。これは一体どんな根拠に基づいているのでしょうか?
私はその根拠を患者さんからお聞きしたことがありません。
明確な根拠があればぜひ教えてください。
運動に関して調べてわかったこと
これに関して私の知るところを記します。
まず、運動で病気が治った、などの話は、これまで数十年関心を持ってみていますが、まず見当たりません。
運動でがんが治った、花粉症が治った、アトピー、難聴、甲状腺障害が...などの話は聞いたことがありません。
逆に「ジョギング」という名を世に広め、ジョギングブームを作った方は、ジョギング中に心臓まひで亡くなったという話や、運動と寿命には関連が無いことを本で読んだことがあります。
長寿の方の生活をテレビで流していたりするのを見たことがありますが、運動している話は聞いたことがありません。金さん銀さんは長寿の秘訣を運動だと話していたでしょうか?私はそんな記憶がありません。
当治療室で見た患者さんと運動の関係
逆に身体を鍛え、筋肉隆々の人でアトピー、喘息持ちの人を実際に知っています。
毎日ジョギングや水泳などに励みながら持病が何ら改善していない人はたくさん知っています。
また、仮に運動が症状改善の役に立つなら、スポーツジムや大学病院などが、アトピー改善運動コース、難聴改善運動法などを作って専用施設など設けていると思います。
私はそういう施設を知らないのですが、ご存じでしょうか?
運動に対する私の考え
こうした根拠から、私は症状改善のための運動を基本的に薦めておりません。
食事改善により、症状が改善した人は、たくさん知っていますが。
なお、運動に関して全面否定はしておりません。効果が無いこともないけれどみなさんが考えているような万能なものには思えないということです。
めまいをお持ちでフラフラの方や倦怠感ですぐ動けなくなる方からどんな運動をしたら良いか聞かれたことが何度かあります。
私は運動しないで休むことをお勧めしました。
そんな状態でなんで運動したいんでしょうか?。どんな根拠で運動が良いんでしょうか?
なお、その方の中にはその後症状改善し、普通に動けるようになっている方もおります。